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「優性思想」の闇を考える

 人口に関しての見方は量の問題とそこから派生する食糧や経済に関する問題を思い浮かべるのが一般的であるが、実際の構成要素は一人一人の人である。この観点は人々の性質や属性で人口を分類しようという考えに発展する。このように人口の質を論じる傾向は、人種差別や障がい者差別、さらには断種政策を生んだ。このような考え方は20世紀の初めに興隆し、ヒトラーの断種政策を連想させる。ヒトラーはアーリア人種を生きる価値のある人種であり、ユダヤ人種を生きる価値のない人種とした。このように人口の質をコントロールすると国家の質もよくなるというような考え方は優生学という考え方に基づく。

 

 このような考え方は日本にも過去に存在しており1940年の国民優性法から1948年の優生保護法へと引き継がれた。その優生保護法の内容は障害のある子どもを産ませないというものであり、強制的に中絶手術を国が行えた。日本でもそんなことをしていたというのだからとても衝撃的である。そしてこのような法律が撤回されたのは1996年であり、つい最近までそのようなことが行われていたことに驚きを隠せません。

 

 現在は母性保護法という新しい法律となり優性思想に基づく条文はすべて削除されている。しかし、このような優性思想に基づく考えは今でも社会に存在している。障がい者に対する偏見などはこのような優性思想に基づいている。また、技術の発達により出生前診断によって子供がどんな子なのか判断して生むか生まないかの判断をすることができるようになっている。これも現代の優性思想や生命倫理の問題となっている。(T・Y)

【参考文献】

姫岡とし子(2008)「ナチズムと人口管理」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/13/4/13_4_16/_pdf)(2020年7月20日閲覧)

NHKハートネット(2018)「旧優生保護法って何?」(https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/53/)(2020年7月20日閲覧)