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石綿(アスベスト)による健康被害に係る社会保障制度


 石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。

 石綿(アスベスト)による健康被害の迅速な救済を図るため、石綿による健康被害を受けた方及びそのご遺族に対し医療費等の救済給付を支給する「石綿による健康被害の救済に関する法律」が平成18年3月27日に施行されました。その後、「石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律」が平成20年12月1日に施行、本法の一部が改正されています。また、平成22年7月1日に本法施行令が改正され、指定疾病に「著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺」及び「著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚」が追加されることとなりました。これらの法令により、石綿を吸入することによる労働者災害補償法等で補償されない中皮腫や肺がん、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の健康被害を受けられて療養中の方、これらの疾病に起因して死亡した方のご遺族に対し、医療費等の救済給付が支給されます。

〇石綿(アスベスト)にばく露しやすい作業
・石綿鉱山・石綿製品の製造 ・石綿や石綿含有岩綿等の吹き付け・張り付け
・石綿原綿または石綿製品の運搬・倉庫内 ・配管・断熱・保温・ボイラー・築炉関連
・造船所内 ・船に乗り込んで行う作業
・建築現場 ・解体
・港湾での荷役 ・発電所・変電所・その他電気設備
・鉄鋼所または鉄鋼製品製造 ・耐熱(耐火)服や耐火手袋等を使用
・自動車・鉄道車両等を製造・整備・修理・解体 ・鉄道等の運行
・ガラス製品製造 ・石油精製、化学工場内の精製・製造作業や配管修理等
・清掃工場または廃棄物の収集・運搬・中間処理・処分
・電気製品・産業用機械の製造・修理
・レンガ・陶磁器・セメント製品製造 ・吹き付け石綿のある部屋・建物・倉庫等
・エレベーター製造または保守 ・ランドリー・クリーニング
・ガスマスクの製造 ・上下水道
・ゴム・タイヤの製造 ・道路建設・補修等
・映画・放送・舞台に関わる ・農薬・バーミキュライト等を扱う
・酒類製造 ・消防
・歯科技工 ・金庫の製造・解体
・タルク等石綿含有物を使用

石綿(アスベスト)健康被害給付の詳細については、以下HPをご覧ください。

独立行政法人環境再生保全機構「アスベスト健康被害の救済」
https://www.erca.go.jp/asbestos/shinsei/

厚生労働省「石綿健康被害救済法が改正されました」
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/06.html